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対話フォーラム

    「芸術療法の未来と実践の連携に向けて」

ファシリテーター:富澤治
スピーカー:阿部惠一郎(あべクリニック)、狩谷美穂(MUSIC POWER for ALL.)、
      北本福美(心理臨床オフィス・プシケ)、三根芳明

「芸術療法の未来と実践の連携に向けて」

とみさわクリニック

富澤 治

 

「芸術療法」というキーワードでつながるユーザー、治療者、治療者を目指す候補生(Candidate)、その指導者や治療・相談・研究機関、団体などと連携するために、具体的にどのような活動が必要になるのかについてファシリテーターとして、お話ししたことを要約して提示いたします。

1 「芸術療法」のオリエンテーション

「療法」という名称にもあるようにひとつめの方向性は「治療」としての役割です。日本の芸術療法は主に精神科病院に入院されている方々に対して、薬物治療が奏功しにくい「豊かな感情の再獲得」や「意欲や自発性の回復」として行われた側面が大きく、精神科医によって精神科の病棟で行われてきました。その後精神科に限らず、身体疾患や、ターミナルケアの患者さん達を対象に様々な技法が応用されてきました。病気の治療や、心理的、社会的問題等に対する援助として機能してきました。

もうひとつは病気の治療としてでなく、よりよい健康、よりよい生活のため、「Well-Being」の追求としてのオリエンテーションがあります。「Well-Being」とは心身ともに満たされた状態で、単に病気でないだけでなく、心身の調和や他者との良好な関係を含む広い意味での幸福である状態です。このために芸術表現(活動)は行われてきました。仲間同士で​表現する喜びや達成感を分かち合い、より健康に、より元気になる、というオリエンテーションです。

​あともうひとつ、これは「芸術療法」とは言えませんが、みっつめのオリエンテーションもあると思います。決して「健康」な方向ではないが、自分自身の内側から出てくる圧倒的な力によって芸術的な表現をせずにはいられない、その表現は健康のためというよりはむしろ自分を追い詰めるものかもしれないが、そうせずにはいられない表現。芸術家、アーティストと呼ばれる人たちは、そのような表現が結果として「平均」や「平凡」から逸脱するほど評価されるのではないでしょうか。この領域を考えることが「芸術療法」にとっても重要な視点になると思います。

 
2 「病気の治療」としての芸術療法

病気の治療として芸術療法に携わろうとする人は、まず「病気とは何か」「その治療とは何か」を知るために医学や心理学を学び知識を得る必要があります。また実際に治療者になろうとするCandidateは指導者の指導の下に、実際の患者さんや相談に来る「クライエント」の治療の練習というか、練習の治療というか、それをしなくてはなりません。当然それはそのような制限付きの治療であることをユーザーに示し、了解を得た上で行うことになります(医学教育で行われている手法と同じです)

 

 

日本臨床芸術療法協会はこの全てを提供しなくてはなりません。つまり治療を希望するユーザー、援助を受けながら治療を行うCandidateとその指導者、指導を行うスーパービジョンや治療を検討する場、学習し知識を得る場、それらの関係者(Stakeholders)を協会が結びつけ、「つなぎ」ます。

 

3 Well-Beingとしての芸術療法

心身共に満たされた、より健康な状態の増進のため、健康な人が健康な人に対して行う「アート活動」を日本臨床芸術療法協会は支援します。健康な活動に関して協会がその是非を判定することなどはありません。しかし、このような場を協会が積極的にプロデュースし、支援します。もしその過程で精神的不調に陥ったり、困難なことが生じた場合は必要な支援、援助を行います。

4 さらに具体的な日本臨床芸術療法協会の活動について

上記の目的のために私たちは何をしたら良いのか、ここで、あるいはこれから皆さんと議論し、相談し、試行錯誤してく必要があります。そのひとつの指針として協会が考えている方向性をお示しします。これらは「案」であり、決定したことではありませんが、これらのことを巡って様々な意見をいただければ幸いです。

 

1)日本臨床芸術療法協会に提携「医療機関」「心理療法相談室」「治療者」「指導者」「治療者候補生(Candidate)」「教育機関」「アトリエ・スタジオ」などとして登録していただく

2)協会は治療を望むユーザーに上記機関を紹介したり、Candidateによる治療を希望したり、了承するユーザーに治療を提供する。Candidateにはユーザー、治療の場、スーパーバイザー、「感性トレーニング」を提供する。アート活動を行うアトリエなどには必要なときに医療的、心理療法的なサポートを行う

3)協会はこのような目的を果たすため、学会組織を作り、学術大会を開き、研修セミナーを(定期的に)開催する

4)国内、海外の同様の団体と連携を取り芸術療法のStakeholdersとの連携を深める

5)「病気ではないが、新たな価値の創造が必要な状態」に対して「Outreachアウトリーチ」によって支援を行う。特にいわゆる「不登校」「(社会的)ひきこもり」「社会的Minority」「高齢者の支援」など社会的課題と関連の近い領域へ参画していく

6)治療や活動のレベルを保証するものとして資格認定を行う。「日本臨床芸術療法協会認定」の治療者資格、「日本臨床芸術療法協会認定アート活動ファシリテーター」など

 

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