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会長紹介

日本臨床芸術療法協会 会長 飯森眞喜雄 ごあいさつ

日本臨床芸術療法協会 Japan Association of Arts Therapies設立にあたって
 

 私は略歴の通り、50年来精神科医療に関わり、芸術療法、精神(心理)療法全般、精神病理学、ストレス科学、産業精神保健などを専門分野として臨床、研究、教育の実践を重ねてきました。

 

 芸術は人の心を癒したり耕して新たな世界を拓かせてくれますが、人類は「表現する動物」といわれるように、幼い時から絵を描いたり造形したり、歌ったり奏でたり、踊ったり詩歌や劇を作ったりしながら成長してきました。表現活動は心の育みを促し、精神と感情を健やかに安定させ、また他者との関係作りに欠かせないものです。

 

 「芸術」と聞くと何か高尚なもののように響きますが、芸術表現は人類が普遍的に有する根源的なものであり、それを治療に役立てようとするのが芸術療法です。

 芸術療法は精神科医療のみならず、心理療法の場や一般医療現場、学校、各種施設、ボランティア活動の場などさまざまな分野で幅広く行われています。

 治療の場では、学問や研究としての価値とは別に、また対象者が何であれ、芸術療法は精神(心理)療法技法のひとつとして人が人に働きかける営みであり、技術を伴った実践であることには変わりがありません。芸術療法は治療を受ける人のために存在するのであり、その最終的な価値を決定するのは治療を受ける人たちです。


 こうしたなか、時代と共に次のような課題が浮かび上がってきています。

  1. 一口で「芸術療法」といっても技法やアプローチも多様化したこと(まさに arts therapies です)

  2. 対象となる人たちの多様化と増大(児童と神経発達症の急増、適応困難例の増加と難治化、ストレス対処、社会復帰施設や高齢者施設、緩和ケア、グリーフケアなどへの広がり)

  3. コンピューターやAIやネットの普及による表現行為自体の変化、などです。

 しかし、こうした環境変化の中で活動する治療者や関係者が相互に交流し、学び、研鑽する場がありませんでした。

 そこで、さまざまな場で芸術療法を実践している治療者をはじめ、精神(心理)療法を志向している人、芸術療法を教育・研究する機関の人、アート活動を一般社会で行う人など、芸術療法の関係者を軸となって結びつけ、包括的かつ有機的な連携を持つ芸術療法の「協会」を設立することを決意いたしました。

 

 困難な時代にあって、私たちの「協会」が患者さんやクライアントに対する治療の一助となるだけではなく、アート活動の意義を社会に伝えられる場になればとの思いです。

 

 皆さまのご賛同とご支援を心からお願い申し上げます。

 

日本臨床芸術療法協会
会長 飯森眞喜雄

飯森眞喜雄 略歴

ryakureki
  • 1975年東京医科大学医学部卒業。

  • 1999年から2014年まで東京医科大学精神医学講座主任教授。

  • 現在は東京医科大学名誉教授、医療法人社団のぞみ理事長、いいもりこころの診療所院長。

  • 医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。

  • 日本臨床死生学会理事長、東京都精神保健福祉協議会理事長、日本精神神経学会理事、
    日本産業精神保健学会理事、日本社会精神医学会理事、日本芸術療法学会会長、
    日本自殺予防学会会長、日本ストレス学会会長、日本精神科診断学会会長などを歴任。

 

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